胃やみぞおち、背中周辺が痛いと悩んでいる方は多くいます。
あまりにも痛いと、眠れない時もありますよね。
様々な病気が考えられ、治療をすればすぐ治る軽度の病気もあれば、悪化することで命の危険が出てくるものもあります。
考えられる病気を紹介してきますので、参考にしてみてください。
胃痛にみぞおちと背中の痛みがある病気を解説
胃痛・みぞおち痛、背中の痛みがある時に考えられる病気はいくつかあります。
特に「背中の痛み」というのが特徴的で、ある程度絞り込むことができるんですよね。
それでは解説していきます。
お腹の上部と背中が痛くなる 急性膵炎
膵臓はみぞおちとおへその間にあり、胃の裏側にある臓器です。
膵臓はインスリンや消化酵素を作る働きをしているのですが、急性膵炎になってしまうと消化酵素で膵臓自身を消化し始めちゃうんです。
膵臓自身を消化してしまうことで炎症が起こり、さらに膵臓だけじゃなく他の臓器にも炎症や影響を与えてしまいます。
症状は軽い物から、重症化して死に至る場合まで様々です。
急性膵炎で痛みを感じる場所は以下のところです。
- お腹の上部の痛み(胃の上のあたり)
- 背中の左側の痛み(広範囲にわたることも)
- 吐き気
- 発熱
- 腹部膨満感(食べていなくてもお腹が膨れている感じ)
急性膵炎かどうかを自分で調べる方法を紹介します。
お腹の上部(みぞおち周辺)をグーッと押してみましょう。痛い場所なので、辛いと思いますが押してみて痛みが強くなる(圧痛)を感じると急性膵炎の疑いがあります。
ただ、圧痛だけでは急性すい炎とは言い切れないので血液検査とレントゲン検査が必要になります。
急性膵炎の原因として考えられているのは?
急性膵炎になってしまう原因として考えられているのはアルコールの過剰摂取です。
毎日家でグビグビ飲んでしまう人や、お付き合いが多く飲む機会が多い人は要注意ですね。
また、胆石が原因になることもあります。
膵臓から分泌される膵液の出口を胆石がふさいでしまい、炎症が起きてしまうんです。
もう一つ、原因不明の突発性と言われるものがあります。
突発性のものは防ぐことはできません。
膵臓は沈黙の臓器を呼ばれているので、なかなか発見しづらいという特性があります。
すい炎は放置しておくと膵臓癌になることもある病気です。
関連記事胃痛の原因不明を解決!治らないのはヤバい病気の初期症状かも?胃と背中の両方が痛くなることも 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃と背中の両方が痛くなることもある胃潰瘍・十二指腸潰瘍。
胃壁の粘膜がダメージを受けて、えぐれてしまったり削れてしまうことで痛みが起こります。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍では以下の症状が起こります。
- 食後の胃痛
- 背中の左側の痛み
- 吐血
- 黒い便
胃潰瘍か十二指腸潰瘍かどうかの検査は内視鏡検査(胃カメラ)をすればすぐにわかります。
実際に胃の内部の映像を見れば、どこがどんな傷を受けているのか一目瞭然ですからね。
胃潰瘍・十二指腸の原因は何?
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因になるのはピロリ菌が考えられます。
名前は可愛らしいんですが、恐ろしいやつです。
胃の中は鉄をも溶かす強力な胃酸が常に分泌されているため、通常の菌類は生きていくことが出来ず殺菌されるのですがピロリ菌は胃酸に対抗する力を持っているため死にません。
しかも胃に定住する性質があるため、病院で除菌をしない限り胃の中に居座り続け、ずーっと悪さをするというとんでもないやつなんですね。
恐ろしい事に、ピロリ菌はWHO(世界保健機関)によって「胃がんの原因になる」と認定されている菌なんです。
胃カメラでピロリ菌の感染はすぐにわかりますので、自覚症状がなくても存在が確認された場合はすぐに除去してもらいましょう。
もう一つ潰瘍の原因として考えられるのは薬(痛み止め)の副作用です。
薬は効果が強く、即効性もある強力な作用をもっているため胃にもかなりの負担をかけてしまい、潰瘍ができてしまうことがあるのです。
胸の痛み、胃の周辺の痛みを感じる 狭心症
狭心症は、突然胸のあたりが痛みだす病気です。
痛みは短時間で治まりますが、狭心症(心筋梗塞含む)は日本人の死因で3位以内に入っている病気なので悪化しないように注意が必要です。
高血圧、糖尿病の人に発症しやすいのが特徴です。
初期の狭心症は痛みが発作的に起き15分以内に消えてしまいます。
狭心症の他の症状を紹介します。
- 胸の痛み
- 息切れ
- 胃の上部の痛み
- 背中の痛み
- 喉の痛み
- 耳の痛み
狭心症の検査は心電図と血液検査があります。
発作が起きていないときの心臓は正常に動いているため、その時に心電図を測定しても正確なデータが出ないことがあります。
その場合は小型の携帯用心電図測定器を24時間取り付けて測定します。
主な治療方法は薬物投与か手術になります。
狭心症が起きる原因は
狭心症が起きる原因はコレステロールです。
心臓につながっている太い動脈の内側にコレステロールが付着していくことで、血管が細くなっていき、血流が少なくなっていきます。
その結果、心臓を動かすための血液が不足し、心臓が「この状況はヤバい!」と痛みで知らせているんです。
また、動脈硬化も狭心症の原因として考えられています。
関連記事胃痛は病院の何科?行くタイミングや検査料金、目安と時間もチェック!激しい腹痛と背中の痛み 胆のう炎
胆のうは胃のすぐ右上にある臓器で、炎症を起こすと激しい腹痛や背中の痛みが出ます。
胆嚢から胆汁を分泌する際に、通り道である胆管が胆石で詰まることで起きる炎症です。
かなり激しい腹痛が突然起こり、辛くて立っていることも難しい状態になります。
痛みは内部から突き刺すような感じです。
胃カメラやエコー検査をして胆のう炎かどうかを判断します。
急性腎盂腎炎(きゅうせいじんうじんえん)
腎臓に細菌が感染することで起きる炎症のことを急性腎盂腎炎と言います。
細菌は尿道から入ってくることが多く、女性の方が感染しやすい病気です。
進行すると慢性腎盂腎炎や敗血症になり命の危険もあります。
急性腎盂腎炎になると以下の症状が出ます。
- 悪寒
- 発熱(38度以上の高熱)
- 吐き気
- わき腹痛
- 背中や腰の痛み
- 膀胱炎の症状
急性腎盂腎炎は尿検査をして、白血球の数と痛みが起きている部位で判断されます。
病院で抗生剤をもらって飲み続けると1週間程度で回復します。
ストレス性・精神的なこと原因でも胃痛、背中痛が起きる
みぞおち周辺の痛みと背中の痛みは内視鏡検査、CT、超音波検査など、様々な検査をしてもはっきりとした結果が見つからないことがあります。
そういう場合に考えられる原因はストレスや精神的なものです。
「病は気から」という言葉があるのは本当で、自分の気の持ち方で体調に異変を生じることがあります。
原因不明の胃痛に悩まされていた人が「これは精神的なものだ」と認めて放っておいたらいつの間にか症状が消えていたということがあります。
最後に
胃痛にみぞおち、背中の痛みが出る病気を紹介させていただきました。
急性すい炎、胃潰瘍、狭心症は放っておくと悪化する危険性があります。
特に膵臓は沈黙の臓器と呼ばれていて、痛みが出る時にはかなり症状が進行している場合があります。
1人であれこれ悩まないで、病院で検査をしてもらいましょう。
はっきりとした原因がわかると気持ちが楽になりますよ。
※胃痛に関する記事はこちらにまとめています。