胃が痛くて病院に行って検査をしたのに「異常なし」
本人は痛くてたまらないから早く治してほしいのに、胃カメラやエコー検査をしてもはっきりとした原因がわからない・・・
実は。
胃の検査だけではわからない、胃が原因じゃない病気があるんですよね。
考えられる病気を紹介していきます。
胃痛の原因不明を解決!
病院でCT検査や内視鏡検査をしても原因がわからない胃痛で悩んでいる人はあなただけではありません。
多くの人が同じ症状で悩んでいます。
胃痛の本当の原因を知ってから驚かれる人も多いですね。
「胃痛だから原因は胃にあると思っていたら、全然違う場所からの痛みだったとは・・・」
それでは早速紹介していきます。
機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)
胃痛や胃もたれがあるのに胃カメラ検査をしても何も見つからない場合、機能性胃腸症かもしれません。
機能性胃腸症は昔は「神経性胃炎」「慢性胃炎」と呼ばれていました。
通常は胃が痛いときに、胃カメラで胃を見ると炎症が出ているのを確認することができます。
ですが、胃の炎症が確認できないのに胃痛の症状が出る場合があるんです。
炎症が見えないけど、胃痛の症状が出ている状態を機能性ディスペプシアと呼ぶんですね。
胃の調子が悪くなり弱って、敏感になっているときに発症しやすい症状です。
機能性胃腸症の主な症状は以下の通りです。
- 食後に胃が痛くなる
- 胃もたれ
- みぞおちが焼けるように痛い
- 食事をすると、すぐにお腹いっぱいになって食べられない
- 便秘または下痢を頻繁に繰り返す
命に関わる重大な病気ではありませんので安心してください。
機能性胃腸症になってしまう主な原因はストレスです。
生活習慣を改善することで治療をすることができます。
関連記事胃痛に薬が効かない時は要注意!選び方を誤ると副作用だけが残る膵炎(すいえん)
膵臓は胃の隣にあります。
すい臓が炎症を起こして痛みを発症すると、近くの胃が痛んでいると勘違いをすることがあるのです。
実際に自分の胃が体のどの辺にあるのか、膵臓がどの辺にあるのかということは外から見たら漠然としかわからないですよね?
胃痛だと思ったら膵臓痛だったということです。
膵炎は中高年の男性に多く発症する病気で、すぐに治る軽度の物から死亡してしまう重度のものまで様々あります。
膵炎では以下の症状が出ます。
- 腰や背中が痛くなる
- 吐き気
- 食欲不振
膵炎になる原因で一番多いのが「お酒の飲みすぎ」です。
初期症状が「軽い胃痛」しかないので、膵炎だという自覚症状はほとんどないのが特徴です。
多くの人は悪化してから病院で検査を受ける傾向がありますが、放っておくとどんどん進行してしまうので、早めの発見と治療が重要です。
盲腸・虫垂炎(ちゅうすいえん)
盲腸が炎症を起こすと、まず胃のあたりに痛みを感じます。
それから胃の右下部分(おへその右下10㎝くらいの場所)に痛みは移動していきます。
僕も10年ほど前に虫垂炎になったことがあるのですが、胃が今まで経験したことが無いくらい痛くなって、死ぬかと思いました。
虫垂炎は以下の症状が出ます。
- 腹痛
- 発熱(40度近くになることも)
- 吐き気
- 嘔吐
痛みがひどい場合は、炎症がかなり進行していることが考えられるので我慢したり、胃薬や痛み止めに頼らずにすぐに病院にいってください。
僕も限界まで我慢してから救急病院に行ったのですが、盲腸が破裂寸前まで膨らんでいたため翌朝すぐに手術でした。
胆石(たんせき)
胆のうに出来た石を胆石と呼びます。
人間の体内に石ができるって不思議ですよね^^;
胆石ができると胆のう付近に激痛が走ります。胆のうは胃のすぐ近くにあるので、胆のうの痛みを胃痛を勘違いしてしまうんです。
そもそも胆石はなんなのか?というとコレステロールが結晶化した物なんですね。
近年は食生活の欧米化にともなって、コレステロールの多い食事をしているため日本人の約8%が胆石を持っていると言われています。
特に40代の女性に多く発症する病気で、放っておくと急性胆管炎を発症し死亡することもあります。
胆石ができると以下の症状が出ます。
- 腹痛
- 背中の痛み
- 発熱
- 右わき腹の痛み
解熱鎮痛剤の副作用
最近、鎮痛系の薬を飲んでいませんか?
鎮痛剤の多くは非ステロイド抗炎症薬と呼ばれていて、胃液の分泌を抑える副作用があります。
胃液の分泌が減ると、胃の粘膜を保護する物質も減少するので、胃酸の影響を防ぐことが出来なくなってしまうのです。
胃酸は強力な酸で鉄をも溶かしてしまう力があると言われています。
その胃痛がまともに胃壁に付いてしまったら・・・
その結果、胃痛が起こります。
狭心症(きょうしんしょう)
前触れがなく、発作的に突然胸が痛くなる病気を狭心症と言います。
血管が狭くなり心臓に十分な血液を送り込めないことで起こります。
狭心症の主な症状は「胸が痛む」という点なんですが、胸周辺の広範囲にわたって痛くなるのが特徴です。
それを胃痛と勘違いしていたケースが報告されています。
狭心症は以下の症状が出ます。
- 急な胸の痛み
- 冷や汗が出る
- 食欲不振
- 肩や背中、左手の小指が痛くなる
- 歯やあごが痛くなる
血管が狭くなる原因の一つはストレスです。
過度なストレスがかかると血管が痙攣をおこし、心臓に十分な血液が流れなくなります。
肋間神経痛(ろっかんしんけいつう)
ろっ骨(あばら骨)に沿っている神経を肋間神経と言います。
肋間神経痛になると、体を伸ばしたりひねったりすることで、胸のあたりや背中が強烈に痛くなります。
肋間神経は胃の近くを通っているため、胃痛と間違えてしまうことがあるのです。
肋間神経痛の痛みを例えるなら「刺されたような痛み」です。
もちろん、胃の問題ではないので胃カメラやCT検査をしても異常が見つかりません。
溶連菌感染症
溶連菌感染症とは風邪に似た症状が出る病気です。
溶連菌に感染することで喉が痛くなったり、胃痛や頭痛が出ます。
空気が乾燥しやすい秋から春にかけて溶連菌は流行し、感染ルートは溶連菌感染者との接触で、発症までの潜伏期間が2日~5日ほどあります。
病院では抗生物質を処方されるので、飲み続けると2~3日で熱が下がって胃痛も和らいできます。
精神的な物(ネガティブな思考)
プラシーボ効果って聞いたことがありますか?
ただの小麦粉を「コレを飲めば風邪が治るよ」と言って飲ませると、思い込むことにより本当に治ってしまう効果です。
人間は強く思い込むことで、病気を治してしまう力があるんですね。
プラシーボ効果にはマイナスプラシーボ効果という悪い方向に作用するものがあります。
恐ろしい事にマイナスプラシーボ効果は、意識していない状態でも起きることがあるのです。
どういうことかというと、自分では全然考えていないつもりでも深層心理で勝手に思考が行われており、それが脳に伝わって体調を崩してしまうというものです。
何かを悪い方向に考えて、胃痛が起きていることが考えられます。
関連記事胃痛は病院の何科?行くタイミングや検査料金、目安と時間もチェック!胃痛が治らないのはストレスの影響もある
様々な胃痛の可能性の病気を紹介させていただきました。
見返してみると「機能性胃腸症・狭心症・精神的なもの」はストレスの影響で発症することがわかっています。
今、長引く胃痛に悩まされている人は、ちょっと日常生活を見直してみてください。
ストレスが解消されることで改善する可能性があるからです。
ストレス解消におすすめなのは、
「好きなことに没頭する」「よく笑う」「良く寝る」
ことです。
すぐにできるのは「よく笑う」ことですね。
ユーチューブで「お笑い」と入れて検索すると、たくさんのコントや面白い動画が出てきます。
見て笑うことでストレス発散していきたいですね。
胃痛はヤバい病気の初期症状かもしれない
胃痛は本当に胃にトラブルが起きていることもありますが、胃じゃない臓器の痛みを「胃痛だ」と勘違いしている場合があります。
その時は胃ではない部位の重大な病気の初期症状であることも考えられます。
特に膵炎は、初期症状として軽い胃の痛みを感じます。
放っておくと重病になり、命に関わる危険性があります。
「もしかして?」と思いあたるところがあるなら、早めに病院に行って検査をすることをおすすめします。
最後に
胃痛の原因がわからない時に考えられる病気を解説させていただきました。
紹介した病気は「胃痛だと思っていたら、〇〇だった」という実際の症例としてあった物です。
当てはまるものがあれば、病院に行って見てもらいましょう。
※胃痛に関する記事はこちらにまとめています。