「お母さん、お腹痛い・・・」
子供が腹痛で辛そうです。とりあえず熱を測ってみたけど、熱はありません。
何かの病気かもしれない、と気になるところですね。
この記事では熱が出ない子供の腹痛が起きる病気について解説しています。
子供の腹痛で熱なしの病気はコレ!
子供がお腹が痛い!と言って来る時にまず考えるのは腸のトラブルか感染症です。
その他にも病気や心因性の物も腹痛の原因となるので解説していきますね。
お腹が痛いと半泣き・・原因は便秘かも
お腹が痛いと子供が言ってきた場合にまず考えられるのが便秘です。
最近、いつ便をしたのか聞いてみましょう。
1週間以上出ていない場合は便秘で腹痛が起きていると考えられます。
便が出ていなくても親に報告をしない子供が多いので、親の方から声をかけてあげるようにしましょう。
中には3週間も出ていないのを我慢している子もいるんですよ。
1週間以上の便秘になると自力で排便するのが難しいので病院で浣腸をすることになります。
浣腸をすると肛門付近に詰まっていた硬い便が排出されるので、腸内から大量の便が出てすっきりします。
一度の浣腸で改善する子もいますが、まだ硬い便が腸内に残っていて再び便秘になってしまう場合もあります。
そんな場合は、市販の浣腸を使って自分で対処しましょう。
また市販されている便を柔らかくする錠剤も便秘に効果があります。
腸が重なって腹痛が起きる 腸重積(ちょうじゅうせき)
腸重積は腸閉塞の一種で、小腸が大腸の中に入り込んでしまう病気です。
0歳~5歳児までに多く見られ「激しい腹痛・嘔吐・顔色が青ざめる」などの症状が出ます。
腸重積になると腸が2重、3重に折り重なってしまうため、血行が悪くなって出血が起き血便が出ます。
放っておくと悪化していき、腸が壊死したり破裂して死亡してしまう危険な病気の一つです。
はっきりとした原因はわかってはいなのですが、ウイルスが腸に感染することで発症する可能性が高いと考えられています。
腸重積の初期症状として以下の症状が出ます。
- 嘔吐
- 腹痛
- 不機嫌
- 突然激しく泣いて、治まる
病院での診察は超音波検査や肛門からの造影剤注入を行い判断します。
腸重積は再発する可能性が5%以上ある病気なので、一度治療しても安心せずに様子を見ることが大事です。
関連記事お腹痛い時は病院の何科に行く?検査にかかる値段も解説!ヘノッホ・シェーンライン紫斑病
ヘノッホ・シェーンライン紫斑病になると体中に紫斑(赤みがかった跡)と腹痛が起こります。
小児に起こりやすい病気です。
原因として考えられるのは免疫反応の異常活動で、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病になる前に、なにかの感染症にかかってしまうことがきっかけで発症します。
感染症になると体の免疫機能が働いて抗体を作りますが、まれに抗体が異常に多く作られ過ぎることがあります。余った抗体が皮膚について炎症をおこすため紫斑が出る仕組みです。
紫斑は時間が経つと薄れていきます。
腹性てんかん(腹部てんかん)
腹性てんかんはてんかんの一種で、部分的に起きるものです。
お腹周辺にのみ発作が起きるのが特徴で、意識を失うことはありません。
腹性てんかんの主な症状は「お腹の痛み・嘔吐・脈が速くなる・発汗」です。
自律神経の発作で起きることが分かっています。
脳波の検査をすると、てんかんの症状が見られるので腹性てんかんかどうかがわかります。
細菌やウイルスの感染 胃腸風邪
胃腸風邪とは正確には感染性胃腸炎のことをさします。
ウイルスや細菌が体内に入ってしまうことで腹痛や吐き気が起こる病気です。
子供が感染しやすいのはロタウイルス・ノロウイルスなので、それぞれについて説明していきます。
子供が感染しやすいロタウイルスの症状
ロタウイルスは寒さに強く暑さに弱いため、12月から3月頃にかけて流行します。
ほとんどの子供が一度は感染するウイルスです。特に保育園、幼稚園など集団生活をしている環境下で流行します。
ロタウイルスに感染すると腹痛・嘔吐・下痢が起こり、白い便が出るのが特徴的ですね。
吐いたり、お腹を下すなどの症状が重くなると脱水症になってしまう恐れがあるので、入院が必要になります。
症状は1週間で回復します。
ノロウイルスにも要注意です
子供がノロウイルスに感染すると腹痛・嘔吐・下痢の症状が出ます。
症状はロタウイルスとほとんど同じですが便が異なります。
ノロウイルスは便の臭いが酸っぱいんですね。それでノロウイルスかロタウイルスかの違いを見分けることが可能になります。
発熱がほとんどなく、出ても微熱程度なのも特徴です。
子供の腹痛に精神的なストレスの影響はあるの?
子供の腹痛の原因がはっきりしない場合は「精神的なもの・心因性なもの」を疑いますよね。
大人であればストレスを感じることで胃やお腹が痛くなることがありますからね。
とは言っても、赤ちゃんや幼児の場合にストレスが原因で腹痛が起きるということはまず考えられません。
ですが、もう少し年齢が上がって幼稚園や保育園に行く年齢になってくるとストレスを感じるようになってきて、嫌なことがあると「お腹痛い」と訴えてくることがあります。
熱や吐き気・嘔吐の症状が無く、ただ「お腹が痛い」という時は精神的なものが原因ということも考えられます。
精神的なストレスが原因でおきる腹痛は反復性臍疝痛(はんぷくせいさいせんつう)または反復性腹痛と呼ばれています。
- 幼児に多く、お腹やおへそ周辺が痛いと訴える
- 平日に痛みを訴えることが多い
- 遊んでいる時、寝ている時、休みの日は痛くならない
- 腹痛は短時間ですぐにおさまる
痛みを発症してもすぐに治ってしまうので、大人から見ると「仮病だろう」と決めつけてしまいがちなのですが、子供にとっては「嫌なこと」や「気になること」を伝えようと発しているサインなんですね。
頭ごなしに決めつけてしまうのではなく、ちゃんと話を聞いてあげましょう。
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熱が無いのに子供が「お腹が痛い」というときに考えられる病気を解説させていただきました。
治療が必要な病気や、時間が経てば治るもの、精神的なストレスが原因なものなどいろいろありました。
お子さんの様子をよく観察して対処してくださいね。