「咳が止まらないし、喉が痛い・・」
この症状が1週間以上続く場合は、ただの風邪ではない他の病気の可能性があります。
風邪に似ている喉の痛み・咳の症状が出る病気は、たくさんあるんです。
風邪は時間が経てば回復するのですが、同じ症状でも病院に行かなければ悪化するものもあるので注意が必要です。
喉が痛いし咳が出る時に考えられる病気・原因を紹介していきます。
喉が痛いし咳が出る原因は何?病気なの?
喉の痛みが取れなくて、咳が続くのは風邪ではないかもしれません。
症状が1週間以上続いている場合は要注意です。
間違った対処法をしていたり、違った薬を飲んでいても治りません。
正しい原因・病名を知り、適した対処方法をすることで回復を早めることができます。
関連記事咳を止める方法は簡単!?即効性があり今すぐ一瞬でできる方法とは?胃液の影響で咳と喉の痛み 逆流性食道炎
逆流性食道炎になると、すっぱい胃液が口まで上がってきて「おえっ」って吐きそうになることがあります。
胃液は酸性で、鉄を溶かすほどの力を持っています。
胃には胃粘膜があるので胃液の影響を直接受けることはないのですが、食道や喉には粘膜が無いので、逆流してきた胃酸の影響をまともに受けてしまうのです。
ダメージを受けた喉は炎症を起こし、痛みになります。
また、逆流してきた胃液が食道付近にある気管支にも刺激を与えるため、咳が出るのです。
逆流性食道炎の咳には以下の特徴があるのでチェックしてください。
- 胃液が上がってきて吐きそうな時に咳が出る
- 咳をしているうちに嘔吐しそうになる
- 痰がでない空咳(からぜき)
- 夜寝ているときに咳込む
当てはまるものが3つ以上ある場合は逆流性食道炎による咳・喉の痛みが考えられますよ。
逆流性食道炎が起きやすい人には特徴があるので、そちらも解説します。
- 脂っこい物が好きで、いつも腹10分目まで食べてしまう
- 消化に時間がかかるたんぱく質(お肉)を良く食べる
- ズボンのベルトをきつく締めている人
- 肥満体形の人
- 姿勢が悪い人
逆流性食道炎は食生活を見直すことで治りますので、自分一人での治療が可能です。
その方法はとてもシンプルで「しっかりと噛んで食べる」「アルコールを控える」です。
この2つを意識するだけで症状はかなり改善されていきます。
放置すると合併症の恐れがある 溶連菌感染症
溶連菌に感染すると風邪に似た症状の咳・喉の痛みが出ます。
溶連菌は細菌による感染で発症し、普通の風邪よりも症状が重くなるのが特徴です。
治療を受ければすぐに回復するのですが、放置しておくと合併症として急性腎炎やリウマチ熱を発症することがあるので注意が必要です。
よく風邪だと思い込んで風邪薬を飲んでいる人がいるのですが、原因が細菌なので効果はありません。
溶連菌は風邪とは明らかに違う症状が出るので、チェックしてみてください。
- のどが痛くなり赤くなる
- 発熱、咳が出る
- 舌がイチゴのようにブツブツになる
- 手首や股関節などの関節部位に赤い斑点が出る
- 手足に痛みが出る
溶連菌の原因は細菌なので抗生物質を飲まない限り、自然に治ることはありません。
病院で処方される抗生物質を用法・用量を守って飲み続ければ2,3日で症状は回復していきます。
気管支喘息 または 咳喘息
気管支喘息は気道に炎症が起こり、呼吸が難しくなり咳こんで喉が痛くなる病気です。
炎症が起きると、刺激に対して過敏に反応して発作的に気管支喘息が起こります。
考えられる原因はウイルス・細菌・部屋と室外の温度差・受動喫煙・ハウスダストの影響です。
気管支喘息には特徴があり、呼吸をすると「ゼェゼェ」という音が聞こえてきます。
自分でできるテストを紹介します。
まず、思い切り息を吸ってください。次に全部吐き出しましょう。肺からすべての息を吐きだしてください。
その時に「カラカラ・・」という音が聞こえて来たら気管支喘息の可能性があります。
気管支喘息になってしまうはっきりとした原因はわかっていませんが、アレルギー・自律神経・感染症が考えられています。
病院で治療をすると気管支拡張薬やアレルギーを抑える薬が処方されます。
関連記事咳喘息の症状は大人はコレ!診断基準と、なりやすい人も解説夜に咳がひどくなる マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマ菌が気道に付着し炎症を起こすことで発症するマイコプラズマ肺炎。
症状は咳、喉の痛みが主で夜になると咳がひどくなる傾向があります。
潜伏期間が長いため、初期症状で風邪と間違われることが多い病気ですが、時間の経過にともなって徐々に咳が強くなる特徴があります。
マイコプラズマ肺炎の症状を抑えておきましょう。
- 喉の痛み
- 咳が長期間続く
- 頭痛やだるさ(初期の症状)
- 鼻水が出る・鼻が詰まる
- 38度程度の熱が出る
- 関節痛
- 胸の痛み
マイコプラズマ肺炎に感染しているかどうかは病院で血液検査をすればすぐにわかります。
治療法ですが、マイコプラズマ肺炎は抗生物質が効かないため対症療法になります。
自然治癒で治すことも可能ですが、咳が取れるまでには1か月程度時間を要します。
また、感染性の病気なので周囲に感染者がいる場合は、細菌をうつされてしまったことも考えられます。
初期症状が風邪に似ている 百日咳
百日咳になると、喉の痛み、咳、鼻水、発熱など風邪に似た症状が出るので、正確な診断が遅れることがあります。
百日咳の特徴は「コンコンコン・・・」と続く咳で、100日近く続くとこから名づけられました。
最初は軽い咳なのですが、時間が経つにつれて激しくなり、悪化すると嘔吐や呼吸が難しくなることがあります。
また、咳をするたびに「ヒューヒュー」と笛を吹いたような音がするのが百日咳の特徴です。
ただ、症状を見ただけで百日咳と断定するのは難しく、血液検査で抗体を調べることが必要です。
風邪だな~と思っていて2週間経っても治らずに「ヒューヒュー」と音がする咳がある場合は病院で検査を受けましょう。
百日咳は治療が遅れると気管部分に後遺症が残ることがあるので早めの対処をお勧めします。
治療は抗生物質の投与になります。
空気の乾燥で細菌やウイルスが付着する
空気が乾燥すると、細菌やウイルスの活動が活発になります。
乾燥した喉にウイルスが付着して炎症を起こすことで痛みが起こります。
体は喉に付着したウイルスを体外に排除しようとして、咳を繰り返します。
乾燥した環境にいる間は同じことが繰り返されるので、できるだけ喉の乾燥を防ぐことが重要です。
以下の対策方法が有効です。
- マスクを付ける
- 部屋に加湿器を置いて、一定の湿度に保つ
- こまめにのど飴を舐める(ハチミツ入りや龍角散が効果的)
- 喉を冷やさないようにマフラーで温めておく
- うがいをして喉に入ってきた細菌やウイルスを洗い流す
最後に
喉が痛くなって咳が出る病気を解説させていただきました。
自然治癒できるものもありますし、病院に行かなければならない病気もあります。
どちらにせよ大事なのは「今、自分の身体に起きている症状を正しく知る」ことです。
思い込みによる間違った薬の服用は、効果がないだけではなく薬の副作用で体調が悪化することもあるからです。
おかしいな、と思ったら病院で検査を受けましょう。
※咳に関する記事はこちらにまとめてあります。